クルド人コミュニティ運営団体が渋谷署警官ヘイトクライムに異例の「抗議」 デモに支持表明

5月22日に渋谷区の路上で警察官がクルド人男性に暴行を加えた事件について、クルド人ネットコミュニティ「TOP@KURUDISTAN GAMERS」を傘下に持つ匿名クラブグループは6月15日、警官によるヘイトクライム(憎悪に基づく暴力)に抗議する声明を発表した。

同声明は匿名クラブグループの中核組織である匿名クラブの公式Twitterアカウント(@AC_Twi)から発信された。声明では、警官の暴力に「厳重に抗議」するとともに、デモを含む日本人による抗議活動を「支持」するとした。

同団体は日本に総局を置き、中国、オーストラリア、台湾の各国・地域に拠点を構えるほか、特定の拠点を持たない英語圏・ロシア語圏のネットコミュニティをグループの傘下に収めている。「TOP@KURUDISTAN GAMERS」はこのうちの一つで、名前の通りクルド人によるゲーム愛好家団体。これを踏まえ、声明で「人種差別とヘイトを許さない姿勢をここに表明します」と宣言している。

クルド人は中東出身のイラン系民族で、独自の国家を持たない民族としては世界最大。同地域の混乱により日本に渡り難民申請をするクルド人が多い一方、日本で十分な保護を得られず避難先の地域住民と対立するケースもある。

先月22日には都内で職務質問を逃れようとしたクルド人男性が警察官による暴行を受け、同月末には大規模な抗議デモが発生した。世界各国で人種差別に反対する抗議活動が活発化する中で、日本でも波紋が広がっていた。