コロナ休校で「居場所」作ったワサラー団ひま部 そして「匿名クラブ」ブランド復活へ【匿名クラブ・ウィズコロナ 第二回】

グローバル事業推進に一層の加速

全世界に広がるDiscordコミュニティからは、外国人ユーザーも多く「匿名クラブ」サーバーに参加している。

既にグローバル化推進部を設置し、3ヶ国1地域に進出する匿名クラブだが、地域間交流の難しさに苛まれてきた。ところが「ひま部」に加入したロシア人ユーザーの主導により、6月にはロシア支部を開設。ほかにも外国人ユーザーが学習中の日本語を駆使してサーバー内でメンバーと交流を深めるケースが相次いでおり、国際交流を加速させている。

匿名クラブは近く組織体制を刷新し、グローバル事業本部を設置することとしている。国内事業とのシナジーを強化し、勢力の倍加をねらう。

豪州ブリスベンの地で、はぐるまん初代会長により創設された匿名クラブは、その創設の経緯から国際色の強いグループとして知られる。匿名クラブグループを構成する8団体のうち半数の4団体が海外を拠点とし、外国人会員は全グループ会員の半数に達すると推定されている。現在の匿名クラブグループを形作った上永顕理会長も「グローバル事業は大きな将来性を有している」と期待を寄せる。

再び開花する「匿名クラブ」ブランド

「ひま部」サーバーは6月に「匿名クラブ」と改称した。団体名と同じこの名称は、団体内ブランドとしては実は昨年2月に凍結されていた。
「新しい居場所をつくろう。」というグループ・メッセージの実現のため、新ブランドの育成と既存ブランドの活動支援を活動の中心に据えることを目指していたが、団体設立時に起源を持つ「匿名クラブ」の存在がネックだった。ひとつのブランドが優越的地位を占めるのはふさわしくないと判断し、本部機能と統合し、独自の活動を停止していた。

二年ぶりに「匿名クラブ」ブランドを前面に打ち出した背景には、同サーバーを団体活動のプラットフォームにしようとする役員の思惑がある。

総計16のブランドを擁する匿名クラブは、各ブランド間の交流と活動振興に注力している。各ブランドのトップは「グループ連携機構」に所属し、相互の交流に向けて調整を進めているが、一般会員の交流と相乗効果の発揮をめざす上では課題が多かった。

そこで、全ブランドの会員が集まれる場として「匿名クラブ」サーバーを整備する方針が打ち出されている。
現状ではDiscordのシステムに対応しきれないグループが多く、いまだ計画段階にとどまってはいるが、理事会の有志らが中心となって計画を練っている。

国内最大級のネットコミュニティである匿名クラブグループがひとつのサーバーに集結すれば、前代未聞の取り組みとなる。Discordの技術的問題やグループ内の確執を乗り越えて、単一の巨大サーバーを作り上げることができるかが、今問われている。

Discordサーバー「匿名クラブ」 https://discord.tkm.club/

特集「匿名クラブ・ウィズコロナ」 第三回は7月24日公開予定です。